真摯に向き合うとは、「自分」「相手」「互い」の順に向き合うこと

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真摯に向き合うとは、自分・相手・互いの3つに順番に向き合うことなんじゃないかと思った。

「あなたは誰よりも大好きな他人」とは大澤誉志幸の「永遠の1/2」に出てくる一節だ。

大好きな他人同士でさえ、「幸せは二人から1/2の場所」にある。

そこは、お互いの間にある場所だ。向き合って、少しずつ築いていく場所だ。だからこそ、手探りになり、衝突もすれ違いも起きる。

まして、他の他人をや。

友達と楽しい時間を共有したくても、仲間と目標達成の喜びを分かち合いたくても、考え方の違いや価値観の違いは避けられない。

衝突やすれ違いを避けるだけでは済まない場面は、何度も訪れる。

じゃあ、どう向き合えばいいんだろう。

「相手をリスペクトしよう」「真摯に向き合おう」とはよく言うけれど、具体的には何をすればいいんだろう。

ぼんやり考えていたことを整理してみたら、真摯に向き合うとは、

「自分」「相手」「互い」の順に向き合うこと

なんじゃないかと思った。

自分、相手、互いの順に向き合う

理想の順序だ。

もちろん感情のある人間だから、この順番どおりに進められるとは限らない。行ったり来たりもするだろう。

それでも、この順番を意識するだけで、衝突はかなり減る気がする。

逆に、

  • 自分と向き合わずに互いの結論を急ぐと、感情のぶつけ合いになる。
  • 相手と向き合わずに互いの結論を急ぐと、自分の思い込みで相手を理解した気になってしまう。

だからまずは、自分から始める。

1. 自分と向き合う

相手を理解する方法はよく語られる。

でも、衝突の瞬間に一番暴走しやすいのは、自分の感情だ。

だからまず、自分を整える。

1a. 認める

まずは、起きた事実を認める。意に沿わないとしても、現実に起きているという事実を認める。

たとえば、誰かが「AI使わないやつはバカ」と言ったとして、そういう発言があったという事実を賛成も反対もせずに認める。

ここで、賛成や反対をすると、自分の視点が強くなり、相互理解やすり合わせに至れない。

1b. 受容する

認めた事実に対し、その人は本当にそう考えているということを受け止める。

相手は自分と違ってもいいんだと念頭に置き、相手にしかない背景があるかも、というところまで受容できるとベストだ。

「AI使わないやつはバカ」って発言に対し、自分はバカと思わなくても、相手はバカと思うほどのできごとがあったんだなとか、バカにすることで得たいものがあるんだなと、考える。

まだ、原因や目的がなんだといった背景の具体的なところはわからなくていい。背景があるってことを認める。ここで、原因や目的を推測すると、やはり自分の視点が強くなり、相互理解やすり合わせに至れない。

1c. 共感する

同じ背景を持っていれば、同じことをしたかもと考える。結論への共感ではなく、可能性への共感を行う。

「AI使わないやつはバカ」って発言を肯定するわけではなく、自分だって同じ背景があれば同じこと言うかもなって考える。

同じことをしたかもしれないってだけで、肯定するわけではない。共感に至ることで、「いやバカじゃねーよ」って真っ向から対立することを防ぎ、相互理解とすり合わせの土俵に立つ。

2. 相手と向き合う

自分を整えられたら、ようやく相手と向き合える。

理解されたいのは、自分だけではない。

相手も同じだ。

2a. 理解する

相手に衝突しそうな自分と向き合うことで、相手の行動に相手なりの背景があるのだと気付いた。その背景を想像で済ませずに、聞いて深掘る。

相手が見ている世界を知り、その世界観なら自分もそうしたかもと、共感が深まるといい。

たとえば

  • AI使わないやつってどんなやつと思ってる?
  • どれくらい使えばバカじゃなくなると思う?
  • バカだとどうなると思う?
  • バカの存在があなたにどう影響すると思ってる?

こんな感じだろうか。

慌てず理解に徹しよう。ここで賛成すると、相手があなたを理解する前に話が終わりかねない。ここで反対すると、相手があなたを理解する前に衝突する。

2b. 尊重する

悲しいけど、「分かりあうなんて嘘」って大澤さんも言ってる。言葉を尽くしてなお、時間や能力の関係で言葉にできなかった背景や、言葉にして失われた背景がある。

そんなときは「あなたにはあなたの考えがあるんだね」と認める。理解を示す。

尊重とは、相手の考えを正しいと認めることではない。理解しきれない部分を残したまま、それでも相手が自分とは異なる考えを持つことを認めることだ。

3. 互いと向き合う

ここまで来て、初めて「互い」の話ができる。

3a. 対話する

相手に背景があるように、自分にも背景がある。だから、自分の背景を伝えたり、差分への意見を求める。

  • AIを使わない不利益は認めるけど、バカにするほどの重大な問題かな?
  • AIを使わない不利益は認めるけど、人それぞれ事情がある中でバカと断じるのは聞いてて気持ちよくないんだけど、どう表現するといいと思う?

とかね。

目的は論破ではなく、差分の共有だ。

3b. 変化する

差分が見えたら、それぞれが、自分をどう変えるかを決める。

自分は「AIをもっと使おう」かもしれない。相手は「AIを使わない人の事情も考えて言葉を選ぼう」かもしれない。

あるいは変わらないという選択もあってもいいだろう。変わるかどうかはそれぞれが決めることだ。ここで相手を変えようとすると、相手の背景を踏み躙り、衝突しかねない。

せいぜいが、仲間として「内心バカとか強い感情を抱くことがあっても、そのままに口に出すのは避けような」と取り決めを交わすくらいだろう。

終わりに

「真摯に向き合う」とは、相手を見ることだけじゃなく、自分、相手、互いと順々に向き合うのだと、整理できたのは収穫だった。

この積み重ねがあってこそ、互いの違いをぶつけ合うのではなく、持ち寄ることができる。

特に自分と向き合う部分は、認める・受容する・共感するを一緒くたにしていたきらいがあるけど、分解することで、簡単なところから始められそうだと思った。簡単なところから始めれば、冷静さを取り戻しながらの会話もできるだろうし、活用していきたい。

そして、「幸せは二人から1/2の場所」という歌詞も、改めて腑に落ちた。真摯に向き合って築いた関係性の中に幸せを見つけるのだ。互いが変化しても互いが同じになるわけではないから、2人の幸せの形がぴったり重なることはないのだ。

それでも、互いに幸せを築くことができれば、幸せを感じる時間は共有できるわけで、真摯な向き合いを大事にしていきたい。